CROSS TALK 01

「GREEN MARCHE」を通して考える

(株)名古屋三越 店舗戦略担当
×JAPAN BLUE JEANS

「GREEN MARCHE」を
通して考える ファッションと
サステナブルの関係。

社員のアイデアでスタートした企画「GREEN MARCHE(グリーンマルシェ)」。
サステナブルやSDGsに配慮したモノづくりを行うブランドが期間限定で出店するイベントです。
今回は、イベントを企画する(株)名古屋三越の山城と、岡山のデニムブランド〈JAPAN BLUE JEANS〉の西川さんと室山さんが、ファッションとサステナブルについて語り合います。

  • 山城 一真(やましろ かずま)

    山城 一真(やましろ かずま)

    (株)名古屋三越の店舗戦略担当として、三越やラシックのイベント企画等を行う。生粋の“デニムオタク”。

  • 西川 雄大(にしかわ ゆうだい)

    西川 雄大(にしかわ ゆうだい)

    (株)ジャパンブルーのデニムブランドJAPAN BLUE JEANSのMD担当として全国を飛び回る。

  • 室山 麻実(むろやま あさみ)

    室山 麻実(むろやま あさみ)

    (株)ジャパンブルーの広報担当。岡山県出身で、同社に入社し岡山のデニムの虜に。

アメカジおじさんがやってきた?

山城 サステナブルやSDGsをキーワードにGREEN MARCHEというイベントをスタートしたのが昨年こと。この企画の構想を練っている時に、最初にお声がけしたいと思ったのがJAPAN BLUE JEANSさんでした。

西川 ありがとうございます。お声がけいただいて、初めてお会いした時は、百貨店の方=スーツやジャケットという先入観があったのですが、上下ともデニムの方がいらっしゃって驚きました。

山城 アメカジおじさんが突然やってきて(笑)。

西川 はい(笑)。でも、この人は仲間だと、最初から壁がなくお話できました。

山城 もともと個人的にデニムや古着が好きで、耐久性が強く、リペアしながら一生着られる、デニムこそ究極のエシカルファッションだと思っていました。それならば、生地づくりから縫製まですべてオリジナルでされているJAPAN BLUE JEANSさんだ、と。

西川 私たちは、「ジーンズの聖地」とも呼ばれる岡山県倉敷市の児島で生地屋からスタートした会社で、今はジーンズの製造販売も行っています。普段は、瀬戸内海が望める本社と工場で仕事をしていて、綺麗な海を眺めながら、モノづくりを通してこの街をハッピーにしたいという思いでジーンズをつくっています。それで環境負荷の低い製造方法だったり、雇用の創出だったり、デニムの可能性を広げる取り組みを行う中でのお声がけだったので、GREEN MARCHEのお話にはすごくシンパシーを感じました。

ファッションを楽しむ気持ちを
大切にしたい。

山城 GREEN MARCHEはサステナブルやSDGsをテーマにしてさまざまなブランドに参加いただいていますが、あくまで大切にしたいのは「ファッションを楽しむ」という感覚。サステナブルやSDGsが義務になってはいけないと思っているので、その点で、JAPAN BLUE JEANSさんのデニム製品は理想的なんです。

室山 GREEN MARCHEの会場でもよくお客さまとお話させていただくのですが、最初は通りすがりでデニムに興味を持って手にとってくださって、お話の中で、水の使用量を減らした製造方法を知って感動してくださったり。特にバナナデニムは、生地感が可愛いと好評なんですよね。

今回のGREEN MARCHEでも販売予定のバナナデニムのアイテム。

エプロンとバッグの2WAYで使用できる。

つばを広めにデザインしたハット。

ネップ感が特徴の
バナナデニム

西川 バナナデニムは、その名の通り、廃棄処分となるバナナの木の繊維から生地を作り製品化したものです。たまたまタイへ出張に行った時に、バナナ農家さんと話していて、バナナの木は年間10億トン以上が廃棄されていてその焼却によるCO2発生は地球温暖化に影響を及ぼしていると聞きました。放置による土壌汚染も深刻だそうです。それを聞いて“何かできることはないか”と思ったことが開発のきっかけです。
バナナの繊維は耐久性に強みはあるんですが、そのままだとチクチクと硬くなってしまう。紡績工場と一緒に時間をかけて研究開発をして、サラッと麻のような素朴で独特な風合いの、吸水性、吸湿性、耐久性に優れたデニムが完成しました。見た目にも特徴的で、この白いぽつぽつとしたネップ感がデニムとしては珍しくて、可愛いとおっしゃっていただけることが多いです。

室山 私たちとしては、それが環境について考える機会となっているのが嬉しいですね。

山城 そう、最初に「可愛いね」「かっこいいね」と手に取っていただいて、結果的に「バナナで作られているんだ、すごいじゃん」と思っていただけるような、地球や環境に配慮されている物だったというのがグリーンマルシェの理想的な形なんです。

モノづくりの背景を伝える場として。

西川 僕たちとしては、良いことをしているという自負というか、プライドを持ってモノづくりを行っているのですが、それだけだと人目にはつかず、極論ですがモノづくりの意味がないと思っています。やっぱり伝える場も大切で、GREEN MARCHEのような実際のお客さまと出会える場所はとてもありがたいです。

山城 実は社内では「山城の趣味の延長だ」と思われている節もあったのですが(笑)、社内にもお客さまにも認められて、継続して開催できています。ラシック18周年と合わせて開催される今回のグリーンマルシェは2回目となりました。

西川 今回は通常のデニム製品と合わせて、バナナデニムのアイテムも持っていきますので、ぜひ手に取って見ていただきたいです。

ここからはWEB限定!

新しい解釈を加え、トレンドは繰り返す。

山城 バナナデニムもそうですが、もともと労働着だったデニムが今やおしゃれなファッションアイテムとして確立されている。デニムへの価値観が随分と変わったなと思います。僕らが大学生のときは、上下デニムのデニムオンデニムって禁断のコーディネートで、着ていたら「アメリカの西部から来たのか?」と言われたものです(笑)。今ではデニムオンデニムのコーディネートがクールでおしゃれになってきて。シルエットも昔はジャストサイズで着ていましたが、近年だとオーバーサイズがトレンドです。

西川 本当は僕もピタピタで着たい派なんですが、今のトレンドはドロップショルダーみたいなゆったりとしたデザインになっていますよね。でもそのルーツもビンテージにあったりして。今、ビンテージをそのまま着てもトレンド感があったりすることにグッときちゃいます。

山城 そうそう。昔は耳付きのセルビッチデニム(※)じゃないと嫌だと思っていたんですが、80〜90年代の耳のない時代のファッションがフューチャーされてきて、そういう生地感も良いなぁと思ったり。
80年代はケミカルウォッシュが流行ってその後はダサいという時代もあって、でも今は合わせ方によってはおしゃれで。時代は繰り返すなぁと思いますね。
※セルビッチデニム:旧式の織機で織りあげられたデニム。デニム生地の端に「耳」と呼ばれる部分とほつれ止めが施されている。

西川 僕らも今、岡山でセルビッチデニムを作っています。最初は、セルビッチデニムこそ至高、という思いではじめたのですが、地域への貢献やプロダクトを通してできることを考えるうちに、セルビッチデニムもデニムの可能性を拡げていくための1つだと感じるようになりました。
ダメージデニムも、薬品や水を極力使わずに行うにはどうしたら良いのか?と考えたり、少しずつデニムの解釈、楽しみ方が広がってきて、次は何ができるだろうとワクワクします。

小学校5年生の時からデニムにハマった。

山城 西川さんは、いつからデニムにハマったんですか?

西川 僕は小学校5年生の時。母親がビンテージマニアで。

山城 お父さんではなく、お母さんが!

西川 はい。小学校5年生の時に母親から今では価値あるシリーズのジーンズを譲り受けまして、そこからデニム人生がはじまった感じです。そのあと大阪発祥のデニムブランドに出会いました。

山城 僕は国内外問わず攻めまくっています。僕も西川さんと同じく小学校5年生でジーンズにどっぷりハマりましたね。きっかけは、父親にアメリカ映画をひたすら観せられたこと。ジーンズを履いてバイクにまたがるシーンを見て「なんだあれは!」と、親に今でも人気のあるブランドのジーンズを買ってもらいました。当時としては高級品だったので「これじゃないと納得できないんだ」と母親を説得しましたね。
当時インターネットがなかったので雑誌で勉強して、嘘か本当か分からないけど、昔の人はジーンズを履いたまま海に入って縮ませて自分の体に馴染ませたというヒストリーを知って、家のお風呂にジーンズを履いて入って、浴槽が真っ青になって叱られたり。軽石で擦って自分の好みのジーンズを作ったり。

西川 僕は高校生の時、当時大阪に住んでいたのですが、岡山まで行って児島のジーンズメーカーさんで軽石をもらってやっていましたね。皆が通る道です。

室山 私は、軽石は持っていませんよ(笑)。私がジーンズをちゃんと知ったのはJAPAN BLUE JEANSに入社してから。岡山出身なので、なんとなくデニムの産地であることは知っていたのですが、どこに工場があるの?と思っていました。知っていくうちに、こんな近くにこんなすごいところがあったんだと気づきました。

西川 そう、岡山出身者でも気づいていない魅力がたくさんあるんですよね。うちの社員も半分くらいは県外出身者。岡山のデニムは、地元の人たちが自分たちで思っているよりもっと誇らしいものなんです。だから僕たちがいろんなところで発信しないと!と思っています。

山城 そういう意味でもグリーンマルシェが良い機会になっていれば良いですね。

コト体験ができる機会を増やしていく。

山城 ちなみに、グリーンマルシェの初回では、JAPAN BLUE JEANSさんに名古屋栄三越の地下にある大きなショーウィンドウのディスプレイもお願いして、夜な夜な作業をしましたね。グリーンマルシェは最初からラシックだけにとどまらず、名古屋栄三越や星ヶ丘三越でも展開して盛りあがりました。

西川 イベント自体はラシック1Fで行っていましたが、ディスプレイはラシック4Fにも設置していただいて、「上で見て来ました」とおっしゃっていただけるお客さまも多いんです。百貨店の催事は上層階で行われることが多いですが、1Fだと来られた時と帰られる時、タッチポイントが多くなって、とても良い場所だな、さすがラシックさん!と思っています。

山城 ありがとうございます。そういうご意見、とても貴重でありがたいです。今後もグリーンマルシェは継続して行っていきます。今はモノを中心にご紹介している段階ですが、今後はワークショップなどコト体験の企画も構想中です。たとえば職人さんに来ていただいて生産背景を語っていただいたりできたら、面白そうかなと。

室山 面白そうです。うちの岡山の本社は児島駅のすぐそばにあるんですが、最近そこにデニムの織機を移設して、来られた方がいつでも見られるようにしました。

西川 実際にデニムってこうやってつくられているんだと目に見える形で体験していただければと思いまして。少しずつですが、コト体験につながるような取り組みも行っています。

山城 ぜひグリーンマルシェでも一緒にコト体験への取り組みができたら良いですね。西川さん、室山さん、本日はありがとうございました。

EVENT

GREEN MARCHE
BRAND LINEUP

10月20日(金) > 10月30日(月)

ラシック1Fに
クールにサステナブルを伝えるブランドが登場

  • JAPAN BLUE JEANS

    岡山県にあるデニム生地メーカーが手掛けるジーンズブランドのPOP UP STOREです。

    場所1F ラシックパサージュ

  • 039LAUNDRY

    039LAUNDRYは「今までにつくられてきたもの」と「新しくつくるもの」ふたつの責任あるものづくりを通して、自分たちの考える持続可能な社会を目指しています。

    場所1F ラシックパサージュ

  • OLD OVER

    100年先も暮らしにある、育てる家具でありたい-それぞれの人生に合わせて経年変化していくデニムチェアの姿を通じて、「時間」の価値への気付きや、モノを使い繋いでいく体験を提供するブランドのPOP UP STOREです。

    場所1F ラシックパサージュ

  • SAKUZAN

    私たちはうつわの色やかたちなど目に見える美しさはもちろん、毎日の暮らしになじむ使いごこちの良さを大切にものづくりをしています。SAKUZANのうつわで、暮らしの楽しみ方をひろげてみませんか。

    場所1F エスカレーター横
    (大津通側)イベントスペース

イベント情報の詳細はこちら
  • 画像はイメージです。

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